〈消費税〉免税事業者が課税事業者になったときの調整
消費税の免税事業者が新たに課税事業者となる場合で、棚卸資産を有している場合には、その棚卸資産に含まれる消費税について一定の調整が必要となります。
具体的には、課税事業者となる日の前日時点で所有する棚卸資産のうちに、納税義務が免除されていた期間に仕入れた棚卸資産がある場合、その棚卸資産に係る消費税額を課税事業者になった課税期間の仕入れに係る消費税額の計算の基礎となる課税仕入れ等の税額とみなして仕入税額控除の対象とします。この対象となる棚卸資産は、商品、製品、半製品、仕掛品、原材料、貯蔵中の消耗品等で、現に所有しているものをいいます。
また、棚卸資産の取得費用の額には、購入金額のほかに、引取運賃や荷造費用、その他これの購入に要した費用の額などを含みます。
なお、この適用を受けるためには、その対象となる棚卸資産の明細を記載した書類をその作成した日の属する課税期間の末日の翌日から2ヵ月以内を経過した日から、7年間保存しなければなりません。
このケースとは逆に課税事業者が免税事業者となった場合には、課税事業者であった課税期間の末日に所有する棚卸資産のうち、その課税期間中に仕入れた棚卸資産に係る消費税額は、その課税期間の仕入れに係る消費税額の計算の基礎となる課税仕入れ等の税額には含まれません。
これらの調整は消費税及び地方消費税の申告書 付表2「課税売上割合・控除対象仕入税額等の計算表」の「⑬納税義務の免除を受けない(受ける)こととなった場合における消費税額の調整(加算又は減算)額」の欄を用いて行います。