役員給与の取り扱い①(新型コロナウイルス感染症の影響)

 最近身近になってきた税務トラブルでは、新型コロナウイルス感染症に伴う業績の悪化などによる企業の役員給与に関するものも増えているようです。そこで、役員給与関係で重要性の高いと思われるものを以下、取り上げてそのポイントを整理してみます。

1.役員給与の取り扱い

【Q1】定期同額給与について、役員2人のうち一人は支給し、もう一人は支給しなかった場合、どうなりますか?

【A1】役員給与については、原則として事業年度を通じて毎月の支給額が同額である定期同額給与であれ、支給時期や支給額を事前に届け出る事前確        定届出給与であれ、事前に確定していること、その額が実際に支給されていることが必要です。そして、この額は各役員別に具体的に確定していることが前提となっています。従って、支給しなかった役員分についてのみ損金不算入となります。

【Q2】Q1の前提が事前確定届出給与の場合で、1人分は支給しなかったときは、支給した人の分は損金に算入されますか。

【A2】Qlの回答と同様に役員については各人別に委任関係があリ、債務が確定しているとの立場から支給した役員分については他の役員と関係なく損  金とされます。

【Q3】A役員に対して、上期の事前確定届出給与200万円は支給したが、下期分は資金繰リの都合で200万円に対して100万円のみ支給した場合に上期分も損金不算入となりますか?

【A3】損金の判断は、事業年度を単位として判断することになりますから、下期分はもちろん、上期分も損金不算入になります。

Q4】定期同額給与について、当社は観光業のため新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けており、営業時間の短縮や従業員の出勤調整をしているところです。未だ見通しの立たない中で特に従業員の雇用や給与を維持するためには、役員給与の減額をするしか方法が無く全役員半額にすることを検討しています。税務上認められますか?

【A4】法人税の取り扱いでは、年度の途中で役員給与を減額した場合、原則として定期同額給与に該当せず、損金算入が認められません。

しかし、貴社の場合は、新型コロナウイルス感染症に基づくことが明らかなので業績悪化改定事由による改定と考えられます。従って、改定前に定額で支給した役員給与と改訂後に定額で支給する役員給与は、それぞれ定期同額給与に該当し、損金算入されます(令和2年4月国税庁の新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応FAQ参照)。

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