令和5年度税制改正<相続・贈与税関係の見直し>
(3)教育資金の一括贈与の改正
30歳未満の人か教育資金に充てるため、金融機関などとの契約に基づき、直系尊属から①信託受益権などを取得した場合、②書面による贈与により取得した金銭を銀行などに預入をした場合、③書面による贈与により取得した金銭などによって証券会社などで有価証券を購入した場合には、その信託受益権などの価額のうち1500万円までは非課税となリます。この制度を教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度といいます。
この制度を選択した場合、契約期間中に贈与者が死亡した場合、非課税とされた金額から教育資金として支出した金額を控除した残額のうち一定の金額については、受贈者が23歳未満など一定の要件を満たした人の場合を除き、相続財産に加算されることになります。
今回の改正で、贈与者の相続税の課税価格の合計額が5億円を超える場合には、受贈者の年齢などに関わらず、相続財産に加算されることになリました。
教育資金の一括贈与は、受贈者が30歳に達するなど、一定の事由が生じた場合には、契約が終了します。このとき残額に対して、従来は特例税率により贈与税が課税されましたが、今回の改正で、一般税率が適用されるごとになりました。
(4)結婚・子育て資金の一括贈与の改正
18歳以上50歳未満の人が結婚・子育て資金に充てるため、金融機関などとの契約に基づき直系尊属からの信託受益権などを取得した場合、②書面による贈与によリ取得した金銭を銀行などに預入をした場合、③書面による贈与により取得した金銭などによって証券会社などで有価証券を購入した堀合には、その信託受益権などの価額のうち1000万円までは非課税になります。この制度を結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度といいます。
この制度を選択した場合、契約期間中に贈与者が死亡した場合、非課税とされた金額から結婚・子育て資金として支出した金額を控除した残額のうち一定の金額については相続財産に加算されることになります。結婚・子育て資金の一括贈与は、受贈者が50歳に達するなど、一定の事由が生じた場合には、契約が終了します。
このとき残額に対して、従来は特例税率によリ贈与税が課税されましたか、今回の改正で、一般税率が適用されることになリました。